秘密の恋はアトリエで(前編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
 靭也は夏瑛のラベンダー色のブラウスのボタンをひとつずつゆっくりと外していく。
 夏瑛の背に手を回して抱きおこし、ブラウスを肩から滑らせる。
 そして、ふたたび背中に手を回し、ブラも取り去った。

 布地の締め付けから解放された胸が冷たい夜気に触れ、鳥肌を立てる。

 突然、素肌を晒している羞恥が沸き上がってきて、夏瑛は思わず、両腕をかきあわせた。
 靭也はこれ以上ないほど優しく微笑むと、 そっと唇をかさね夏瑛の腕をほどいていった。

「……綺麗だよ。もっと……よく見たい」

 靭也の唇が首筋を伝う。

 何かに(すが)っていないと見えない海に溺れてしまいそうで、夏瑛は靭也の背に両腕を回した。
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