秘密の恋はアトリエで(前編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
「よく寝ていたね」
 とたんに記憶が奔流のように脳内に流れ込んできた。

 そうだ、夕べ……

 自分が一糸まとわぬ姿でいることに気づき、あわてて足元のブランケットを引き寄せようとすると、靭也のしなやかな腕が伸びてきて、一瞬で絡めとられた。

 肌が直接触れあい、身体中に熱が広がっていく。
 額に頬に唇にキスの雨が降ってくる。

「おれの……夏瑛」
 靭也の体温が夏瑛の身体だけでなく心も蕩かしていく。
 夏瑛はふたたび滾(たぎ)りはじめた熱情に身を任せた。
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