陰の王子様
「ああ、良いよ。僕がお見送りするから。ちょっと彼女と話したいんだ。」
サンチェさんがそう言うと、使用人さんはお辞儀をしてどこかへ行ってしまった。
「んー、外行こうか。こっち来て。」
言われるがままついて行くと、入ったことのない中庭に連れて来られた。
「ここ人来ないから、安心してよ。」
へらっと笑うサンチェさんに私もつられ、この人変わらないなと嬉しくなる。
「シンアは騎士服着てた時も可愛かったけど、ドレス着てると絶世の美女って感じだな。」
「……あの、いつから、私が女だってこと…。」
「ん?最初からだけど?」
その言葉に頭が真っ白になった。
知ってて、黙認していたってこと…?
「あ、この際だから言うと、ローガンも知ってるし、ジンも知ってたよ。」
今度は軽く目眩までしてきた。
「何故、団長や副団長が知ってるのに、私は騎士団に留まれたのですか?」