陰の王子様
本来なら即刻退団だろう。
サンチェさんを見るけど、サンチェさんはずっとニコニコ笑ってて、何も読めない。
「満足するまでいさせてやれって言われたから。あと、身の安全を守るためにジンをシンアの側に置いたりね。」
「やたらジンが来てたでしょ?特に外回りの時とか。」
言われてみれば、確かに…。
王子の側近って意外と仕事ないのかなとか思ったこともあった。
「あの、でもジンって辞めたんですよね?何で辞めたのか知ってますか?」
「え?いるよ?今日も朝からふらふらっとどっか行ってたし。」
「え!?」
辞めてないの?
…何でそんな嘘ついたんだか。
「弄ばれてんね、えーっと、レティシア、だったっけ?」
首を傾げるサンチェさんに改めて名前を言う。
「レティシア・コヴィーです。改めて、よろしくお願いします。」
「はーい、よろしくー。しかしまぁ、コヴィー家の養子になるとは、ちょっとびっくり。だけど、その方がこれから先、きっと良いよ。」