陰の王子様
身に覚えのない話で否定しても、うるさいと言われ、逃げようがなかった。
スズも部屋の隅でライラ様の使用人さんたちに押さえられている。
ライラ様が機嫌良く扇子を仰いでいるのを見ていると、部屋のドアが開き、イオ様とジョセフさん、キース公爵がやって来た。
そして、後ろにはローガンさんとサンチェさんもいた。
その姿を見た時に、周りにいたライラ様の使用人さんたちから、きゃあっと小さく漏れ聞こえた。
「何の用だ。」
鋭い目つきのイオ様と目が合い、そのままライラ様にその目は向かった。
「お越しいただき、ありがとうございます。本日は、コヴィー家の御令嬢が犯した罪について、すぐにでもイオ様のお耳に入れなければいけないと思い、お招きいたしました。」
まるでライラ様が後宮の1番上のような。
そんな雰囲気をライラ様が出している。
イオ様に相応しいのは私だと。
そう心の声が聞こえてくるようだった。