秘密の片想い
事務所に戻り、私と交代でお昼休憩に向かう真里奈にぼやく。
「誰が、紹介してください、よ」
真里奈は、とぼけた顔で「私より志穂さんの方がお似合いですから」と、平気でとんでもないことを口にする。
「やめてよ」
「いいじゃないですか。恋しちゃいけない、なんて決まりあります? 志穂さん、フリーなんですから」
「それは」
だからって、私には無理だ。
黙ってしまった私に、真里奈は軽く笑い飛ばして言う。
「ま、そんなに重く考えないでくださいよ。本社の代理店営業の人に、私が仕事できるって売り込んでくださいね!」
「そんなの、真里奈は自分でやった方がうまくいきそう」
「なに言ってるんですか、人伝えに聞いた方が信憑性があるんですよ。何事も」
したり顔で言う、真里奈に吹き出してしまった。
「やだな。私、本気なのに」
「ごめん。ごめん。そうね。三嶋に伝えておくわ。真里奈は仕事もバッチリだって」