秘密の片想い
 
 午後からの予約で、老夫婦がみえた。
 介護保険を手厚いものに替えようか、とのご相談だ。

 どのようなタイプの保険があるのか、今まで入られていた保険との兼ね合いや、今後のライフプラン等を聞きながら、ご夫婦に最適な保険を提案していく。

 ご夫婦は独立したお子さんがいらっしゃるそうで、そちらの心配はしていないが、子ども夫婦は彼らの生活がある。
 自分たちのことで、迷惑をかけたくないと考えているようだった。

「こちらのプランはどうでしょうか。みなさんが入られる、公的介護保険制度の足りない部分をカバーしています」

「ええ。そうねえ。子ども夫婦にも、相談してみようかしら」

 持ち帰って検討すると言われ、こちらも無理強いはしない。

 いくつかのプランをお勧めし、パンフレットをお渡しする。
 パンフレットや、打ち出した資料にマーカーでお勧めした内容をわかりやすく色付けもした。

 ビルの出口までお見送りしていると、他の代理店から戻ってきたのか、三嶋と出くわしたため、三嶋も一緒になって老夫婦に頭を下げ、お見送りをした。
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