秘密の片想い

 ライフプランナーの資格だって、上を目指すためとか、そういう……。

 私が勝手に彼のイメージを構築していると、思っていたのとは別の理由を口にした。

「ああ、お客様の人生に、寄り添って考えたいよな……って、なに?」

「ううん。三嶋とも真面目な話ができるんだなあって」

 そうだよ。彼はこういう人だ。
 どうせ自分なんてと卑屈になると、人の本質を見失いそうになる。

 彼の本質は真っ直ぐだ。
 嘘偽りがなく、清々しい。

 忘れていた彼の本質を思い出し、どうしてか、おかしくなった。

 見た目は軽そうで、真面目だなんて思えないのに。
 クスクス笑うと、肩に腕を回され、からかうように首元を軽くしめられた。

「なんだよ。俺、いつも本当のことしか言ってないだろ、って、ごめん。苦しかった?」

 突然のことに顔を真っ赤にさせる私に、慌てて腕を離した三嶋が覗き込む。

「う、ううん。ちょっとビックリしただけ」

 苦しくなんてなかった。
 ただ、突然の近い距離に心臓が追いついていかないだけ。

 今も不用意に覗き込まれ、心臓がジャンプした。

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