秘密の片想い

「レオ。レオは違うよな。俺らのほかに恋人がいるとか、ないよな」

 ケンケンの必死な訴えに、三嶋は吹き出した。

「俺、ケンケンの恋人じゃないし」

 私はどうしてか、ドキドキしながら三嶋を見つめた。

 実は、俺も長年付き合った彼女がいて。
 なんて言い出しそうな三嶋が、最終宣告を告げるかもしれない。

 そんなことを思い描いて。

 すると瑠夏が、斜め上からの意見を口にする。

「三嶋は、なんか面倒くさいもの抱えてそう」

「なんだよ。もう嫌だよ」

 ケンケンが半ベソで訴えている。
 私も、なんだか泣きたい気分だ。

「やめろよ。俺、なにもないって」

「でも、子どもいらないって、前にぼやいてたじゃない」

「それは」

 口籠る三嶋に胸が軋む。
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