愛は惜しみなく与う④
「いいか?全部話せ。杏には言わない。杏のことで脅されたんだろ。大丈夫だから、話せ」


俺が言われてるわけで話はないのに、なんだか泣きそうになる。
泉にそう言われると、余計泣きたくなるよな

分かるよ


朔の肩が震えている

怖かった、だろうな



「……俺が、赤羽組の仕事手伝えば…杏には構わないって」


「うん。なんでお前なんだ?たまたまか?」


「ちが…あの男が…あいつが赤羽組の情報を他の組に流して…それで大和がsilver KINGのトップで…血の繋がった俺がって……」



ぐちゃぐちゃだが、朔は必死に伝えてくれる。
朔が拉致されたのは、たまたまじゃない。仕組まれて、朔が選ばれたんだ


「…俺断った。何もしないって。あの男が死のうが関係ないから…断って…そしたら…」



そこで朔は話せなくなった

見ていて痛々しい
もちろん頭は怪我をしていたけど、それよりももっと、心が傷ついたんだな

俺も両親には恵まれなかったけど、朔のところは、もっと酷いと…思ってしまった
< 24 / 443 >

この作品をシェア

pagetop