愛は惜しみなく与う④

「…朔、全部話せって言ったろ。分かるように言え」


泉がそう言って30秒ほど黙りこくった朔は、口を開いた



「杏の……写真を持ってた。この前の…水瀬との。それになんか、昔の写真も。わかんねーけど、杏に見えた。あんなのあいつがみたら……壊れるだろ」


苦しそうに紡いだ言葉
朔は強いね

頑張って怖いのに、一人で守ったんだね


泉もそっちか…と呟いた


ただ杏ちゃんが狙われてるとかなら、別に良かったんだ。杏ちゃんにも伝えて警戒して貰えばいいし、俺たちがいるから


でも、過去の写真やスコーピオン絡みは…


自分一人じゃ判断できないよな



「俺がなんか手伝わないと……写真ばら撒くって。モロに杏の顔も写ってたし…こんなん持ってるなら、もっとやばいもん持ってそう。だから…」



「…手伝うって言ったんだな」


泉がそう訊ねると、朔はコクリと一回頷いた



「バカだな。ありがとう」



ガッと朔の頭を抱えた泉をみて、こっちも泣きそうになる。 
男に抱きしめられるなんて嫌だけど、泉になら、全然嬉しいんだよなぁ
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