イルカ、恋うた
いざ、その店のあるショッピングモールに着いた時、駐車場に車を止めると、岩居さんはイスを倒して、寝転んだ。


「あ、あの!?岩居刑事!!」


「何かあったら、携帯に電話しろ。寝やしないから。あと、ここの警備員にも挨拶しとけ」


車から下りて、運転席にまわった。


「俺達、コンビでしょ!」


「あの……」


美月は腕時計を見ながら、困ってた。


「ほらほら、時間をロスすんな。行って来い」


そう言いながら、岩居さんは降りた。


ああ、やっぱり。コンビなんだ。


と喜んだのも、つかの間……。


不意に、俺と美月の手を取ると、強制的に握らせた。


彼女は真っ赤になって、うつむいた。


「岩居さん!?」


「何かあったら、どうするんだ!!いいか、離すなよ!!」


と、本気で怒鳴った。


そして、満足したように、車に戻った。


なんなんだ、この人?

この人が相棒なわけ?


「あの……り、竜介……行こう…」


岩居さんが妙なとこが、頑固なのはもう分かる。


しょうがない……


「購入したら、すぐ戻りましょう」

< 63 / 224 >

この作品をシェア

pagetop