溺愛依存~極上御曹司は住み込み秘書を所望する~【番外編】
一日の業務が終わってマンションに帰ると、拓海さんが袋からお土産を取り出した。
「こんなに?」
「たしかに買いすぎたな」
もつ鍋セットと明太子、たこ焼き味のお菓子にういろう、などなど……。
拓海さんが、テーブルの上に並んだお土産を見て苦笑いした。
「でもうれしいです。ありがとう」
忙しい合間を縫ってお土産を買ってきてくれたお礼と伝えると、拓海さんの腕が腰に回った。
「そういえば、続きしてなかったな」
「続き?」
「キスの続きだ」
「あ、はい」
拓海さんの顔が迫ってくるのが見え、唇を受け入れるために瞼をゆっくりと閉じた。けれどタイミングを見計らったようにインターホンのチャイムが鳴り、パチッと目を開けた。
「……嫌な予感しかしないんだが」
「……そ、そうですね」
ふたりで一緒に、インターホンのモニターに向かう。そこに映っていた人物を見た瞬間、拓海さんの口から大きなため息が吐き出された。
「帰れ」
インターホンに向かって荒々しく言い放ち、通話を切る。
いくらなんでも、それは不憫だ……。
「広海さん。どうぞ」
通話ボタンを押して呼びかけると、急いでロックを解除した。