みだらなキミと、密室で。
「ほら、私は結構、お家の愚痴とか話しちゃうじゃない?」
「いや、依茉ちゃんのは愚痴ってほどのものじゃないでしょ!聞いてて全然嫌な思いしないしっ」
依茉ちゃん自身がちゃんとママさんやパパさんのことをすごく大好きだってことが伝わってくるような可愛らしいものだ。
「それでも、私は結構救われているんだよ」
「依茉ちゃん……」
「海風、言ったよね。うちの親がバイト反対してるって話したとき、パパたちの気持ちもわかるって」
「うん」
「あれ、嬉しかったんんだ。海風じゃなかったらそんな風に言ってくれなかったと思う。前の学校ではそうだったから。『依茉の親は厳しすぎる』って。自分がグループの空気乱してるみたいで居心地が悪くて。パパやママのこと嫌いじゃないのに、ずっともやもやしてて」
初めて、依茉ちゃんの口から聞いた、前の学校の話。
今まで見たことない依茉ちゃんの表情に、胸が締め付けられるような気持ちになるのと同時に、
こんな話を私にしてくれることに嬉しさも感じる。