一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
女の裸なんて初めて見たわけではないのに、どうしてこんなに動揺してしまうのだろう。
触れて……抱いて……自分のものにしたい。
オスの本能が目覚める。
しかし、俺の理性が欲望を抑えようとする。
“彼女には絶対に手を出すな”と。
遊んでいい女じゃない。
そもそも俺が寝たフリをしたのは、このラブホに入ってから璃子が俺を変に意識してずっと挙動不審だったからだ。リラックスさせて早く彼女を眠らせようとした。
それなのに、俺が璃子に欲情してどうする?
「お前……もうちょっと男選べよ」
ツンと彼女の鼻を突いて文句を言う。
他に男ならいっぱいいるだろう?
直だって璃子にとっては身近な異性のはず。
あいつは見てくれもいいし、頭も良く、女には優しい。
それに、幼馴染の彼女を特別に思っている。
直も口には出さないが、璃子に思いを寄せていた時期があって、いずれふたりはくっつくかと思っていた。
「なんで俺なんだよ」
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