一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
スクランブルエッグに塩と胡椒をかけながらそんなことを口にする彼を呆れ顔で見た。
「それは朝食と言わないよ。仕事しててお腹空かない?」
「いつも長谷川にサンドイッチとか買ってきてもらって、会議の合間に食べてる」
うわ〜、長谷川さんにそんなことまでさせてるの?
あんたはどっかの王様か……とツッコミたくなる。
「長谷川さんは秘書であって小間使いじゃないんだよ。あんな有能そうな人、大事にしないとヘッドハンティングされちゃうからね」
匡を見据えて注意すると、彼はフッと微笑した。
「大丈夫。俺とあいつには共通の野望があるからな」
「野望って?」
私が聞き返すと、彼は何食わぬ顔で答える。
「世界征服」
は?
なに、その漫画に出てきそうな言い回し。聞いた私がバカだった。
「二十八にもなって中二病?」
残念なやつを見るような視線を匡に向けるが、彼は自信たっぷりに言う。
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