一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
「その気の抜けた声。お前信じてないだろ?俺をもっと敬え。せっかく人がいいものやろうと思ってたのにな」
匡のもったいぶった物言いに首を傾げる。
「いいもの?」
「これ。就職祝いに買ったんだが、ずっと渡すの忘れてて……って言っても、お前まだ就職してなかったけど」
彼はスーツの内ポケットから小さな深紅の箱を取り出し、私に差し出した。
「就職祝い?」
彼から箱を受け取って中になにが入っているのか確認する。
そこにあったのは花柄のダイヤのネックレス。
同じものをハリウッド女優がつけているのを見て、匡に『あのネックレス素敵』と言ったことがある。
私だってこのネックレスを見るまで忘れていたのに、匡……覚えていてくれたんだ。
どうしよう。
嬉しくて涙が込み上げてくる。
なにも言えずにいる私に、匡は優しい声で補足説明をした。
「直には時計を買ってやったんだが、お前は正月おじさんから時計もらってたし、別のものと思って」
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