一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
兄は私に弱い。
私が“お兄ちゃんとは一生口聞かない”と言えば、兄はすぐに折れる。
匡もすぐにそのことに思い至ったのだろう。
兄の話をしない代わりに、ハーッと盛大な溜め息をついた。
「お前は……今日は泊めてやるけど、明日は帰れ」
「嫌よ。おばさまからも頼まれてるの。匡のことよろしくねって。それに、匡の家の冷蔵庫、ほとんど食材が入ってなかった。ちゃんと食べないと身体壊すよ」
私の忠告を彼は聞き流す。
「心配ない。俺は健康体だし」
この人は、もう!
人の言うことなんかちっとも聞かないんだから。
「ダーメ。いい子だからちゃんと言うこと聞きなさい」
匡のネクタイを掴んで目を合わせれば、彼は不機嫌そうに目を細めた。
「お前、俺を馬鹿にしてるだろ」
「全然。心から敬っているわよ。ほら、明日も仕事あるんでしょ?お風呂沸かしてあるから入って来なさい」
ネクタイから手を離し、ソファから立ち上がると匡の背中をポンと叩いた。
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