一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
だが、いつ体調が悪くなるかわからないから、璃子が眠っている時はなるべく起こさないようにしている。
安心してぐっすり眠らせるのが俺の大事な仕事。
いい睡眠が取れれば、彼女の身体の免疫力も高まる。
それに、心のどこかで信じているんだと思う。
璃子が幸せなら、ガン細胞はきっと小さくなるはずだって。
それで病気に勝って、俺とこのままずっと一緒に暮らせばいい。
どうしたら彼女傷つけずに話ができるだろう?
それに、自分の気持ちも璃子に伝えたい。
彼女を愛しているとーー。
自覚し始めたのは璃子と伊豆に旅行した時。
赤ちゃんの頃から知っていることが、彼女を好きになるストッパーになっていたが、一緒に生活していくうちに外れてしまった。
昨日よりは今日、今日よりも明日……璃子が愛おしいという気持ちが増していく。
ただ女としてだけでなく、自分にとって誰よりも大切な存在になっていた。
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