一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
璃子を抱き上げようとしたら、彼女の手が動いてテーブルにぶつかり、ショッキングピンクの分厚いノートがカーペットの上に落ちた。
「なんだ?このド派手なノート」
拾い上げて中を見たら、それは彼女の日記だった。
【一月一日。今日は匡、お兄ちゃん、直君の四人で初詣に行った。おみくじを引いたら、他の三人は大吉だったのに、私だけ凶。匡に大笑いされたけど、不機嫌な私に彼はお守りを買ってくれた。その優しさが好き。ちゃんと『ありがとう』って言えなかったから、今ここで……。匡、ありがとう。とっても嬉しいよ】
日記にはハートマークもついていた。
多分璃子が中学生の時に書いたものだろう。
日記を読んで当時のことを思い出した。
おみくじでへそを曲げたから、お守りで彼女のご機嫌を取ったのだ。
だが、ちょっと俺と京介と直の三人が話し込んでいたら彼女がいなくなって、神社の境内を探したら、高校生にナンパされてたんだよな。
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