一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
大騒ぎしながら洗面所に行って鏡を見る。
確かに前髪がピョンとはねていた。
よくよく考えてみたら、顔も洗ってない顔を長谷川さんに見られたわけで、ダメージは大きい。
匡は家族みたいなものだからいいけど、長谷川さんは違う。
「私……ダメダメだなあ」
洗面台に両手をついてガックリ肩を落としたら、玄関のドアが閉まる音がした。
しばらく長谷川さんの顔をまともに見られないかも。
匡もなんで目覚ましのアラーム解除したのよ!ってブツブツ言いたくなるが、それは多分彼の優しさだ。
だって、毎回私がリビングで寝てても叩き起こさずそっとベッドに運ぶんだもの。
それが毎日続くからアラームを予めセットしておいたのにな。
それに、最近私がバタバタしているから、彼は休ませようとしたんだと思う。
実は今日が久野先生のバイトの最終日。
本当は十一月末まで仕事をする予定だったのだけれど、体調が良かったから延ばしてもらったのだ。
< 193 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop