一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
「うん。ちょっと年末にイギリスに行きたくなって、飛行機の値段が高くなる前にやめることにしたの」
イギリス行きはまだ日にちは決めてないけど、本当に行くつもりだ。
行きたい場所も決まっている。
「そうなんだ。来年は?」
私の話に優里はにこやかに相槌を打つが、彼女の質問にどう答えようか迷った。
「来年は……親戚の仕事手伝ってるかも」
曖昧に答えてニコッと笑う。
自分の病気のことを伝えようとも思ったけど、結局嘘をつき通すことにした。
私がもうすぐ死ぬかもしれないって話したら、きっと彼女は泣くに違いない。
「そっかあ。じゃあしばらく会えなくなるね」
寂しそうな顔をする優里の言葉に小さく頷いた。
「うん。そうだね」
今日が最後かもしれない。
十年後、優里は私のことを覚えているだろうか。
コーヒーをじっと見つめて考えていたら、彼女が時計を見て言った。
「私、講義の前に売店に寄らなきゃ。また今度ラインするね」
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