一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
『まだいるけど、明日でもいいなら届けに行くよ』
「いえ。今から取りに行きます!」
すぐに電話を切って玄関に向かうと、ドアが開いて匡が現れた。
「あら、匡お帰り!今日早いね」
スニーカーを履きながら声をかけると、彼はビジネスバッグを玄関の床に置く。
「会議が早く終わってな。お前、どっか行くの?」
「大学に財布忘れちゃって。今から久野先生の研究室に取りに行くの」
「その格好で?」
彼が私の服装をじっと見るので気づいた。
「あっ……コートとバッグ忘れた」
匡の顔を見て言えば、彼は軽く溜め息をつく。
「ドジ。コートとバッグ取って来い。俺が車出すから」
「匡、帰って来たばっかりなんだからいいよ」
疲れているのに申し訳ない。
断ったのだけれど、彼は引き下がらなかった。
「俺の心配はするな。今日のお前ボケてるから、事故にでも遭われたら困る」
匡が私の頭をクシュッとする。
「ボケてるって……ボケてるか」
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