一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
「どうしたの?」
明るい声で聞けば、匡の声が聞こえて沈んでいた心が少し軽くなった。
『お前がソファで寝る前にかけた。今どこにいる?』
「リビングのソファ」
匡の質問に即答したら、彼は俺様な口調で命じた。
『じゃあ、スマホ持ったまま寝室に移動しろ』
「は?なにその命令?」
首を傾げながら聞き返すと、思わぬ答えが返って来た。
『俺、今福岡だから、お前がソファで寝ても運べないだろ?』
この優しさに胸がジーンとなる。
今日は突然福岡に行くことになって疲れただろうに。
「そんなの気にしてかけてきたの?」
言いながら顔が緩んでしまう。
匡って私のエネルギー源なんだってつくづく実感する。
『いいから移動』
今度は私の質問に答えず、彼はわざと強い口調で言う。
「はーい」
クスクス笑いながら返事をして匡の寝室に行くと、ベッドに横になった。
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