一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
グイッとネクタイを引っ張ったら、彼の顔がすぐ近くにあって心臓がトクンとなった。
「こら、俺を殺す気か?首が絞まる」
匡に注意され、「ご、ごめん」と少し狼狽えながら謝る。
「なんかお前顔が赤くない?」
じっと彼が私の顔を見るものだから手元が狂って、ネクタイの結び方が不格好になってしまった。
「もう、匡が変なこと言うから失敗しちゃったよ」
匡のせいにしたら、彼は面白そうに目を光らせた。
「俺のせいにするな。この下手くそ」
ツンと私の額を突く彼。
褒められてはいないのだが、こんな言葉に胸がときめく私って、本当に匡が好きなんだと思う。
「初めてなんだからしょうがないでしょう」
溢れる恋心を必死に隠そうと反論したら、彼は楽しげに笑った。
「完璧な璃子にも出来ないものがあるんだな」
「次はもっとうまくやるもん」
匡の腕をつねると、コホンと咳払いがリビングのドアの方から聞こえてハッとして慌てて匡から手を離した。
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