一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
嫌そうな顔をしても、匡はここでも入場料を支払って私に付き合ってくれた。
砂金採りの施設の中に入ると、二十メートル程の長さの大きな水槽があって、その底には砂が入っている。
係員の説明を受け、パンニング皿というプラスチックの皿を使って砂金を探す。
制限時間は三十分。
匡と並んで皿に砂を掬い、ゆっくりとゆすりながら砂を捨てていく。
自分ではかなり慎重にやっているはずなのが、砂金は見つからない。
「あ~、金がない」
本当に砂金あるの?
ハーッと溜め息をつきながら隣の匡のパンニング皿に目を向けると、金色の小さな粒がふたつ乗っている。
「うわ〜、匡凄い。もう見つけたの?」
「ただ上の砂捨てただけ。意外と簡単だな」
彼は特に自慢せず、淡々と作業を続ける。
私も負けていられない。
次頑張ろう。
その後も何度かトライするが、砂金は見つからない。
一方、匡は十粒も採れていた。
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