一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
残り時間はあと五分。
気合いを入れ直してパンニング皿で砂を掬うと、匡が私を見てハハッと笑った。
「お前、目が血走ってないか?もっと無心になれよ」
「嘘?そんな血走ってる?」
「なにかに取り憑かれたような顔になってるぞ」
匡のコメントに沈黙する私。
「ほら頑張れ。せめて一粒くらいは取れよ」
彼に励まされ、コクッと頷き、パンニング皿をゆすって砂を捨てていく。
すると、金の粒がふたつ見えた。
「あ~、やっと採れた!」
思わず歓声をあげる私を見て匡がニコッとする。
「最後に採れてよかったな」
「うん」
満面の笑みを浮かべ自分が採った砂金をじっと見る。
すっごく嬉しい。
「これ、キーホルダーとかに出来るんだって」
「じゃあ、俺にのと合わせて半分こすれば?」
匡の提案に興奮気味に返事をした。
「わ〜、匡大好き。ありがとう!」
どさくさ紛れに本当の気持ちを口にすると、匡は脱力した顔をした。
「現金なやつ」
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