俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「沙和ちゃん、いらっしゃい。おや、愁くんも一緒かい?」

いつものように植物の手入れをしていた城崎さんが、楽しそうな声を上げる。

「……今日はよろしくお願いします」

愁さんがなぜか面白くなさそうな様子で挨拶をする。

「あの、お久しぶりです。すみません、なかなかお伺いできずに……今日は頼子さんに言われていた件もお話したいなと思っていたんです」

そう言うと、城崎さんが答えるより早く彼が反応した。


「姉貴に言われた件?」

形のよい眉が少し顰められる。

「ああ、愁くんは知らなかったのか。頼ちゃんと話していたんだけどね」

のんびりとした返答に、傍らから不穏な冷気が漂ってくる。


「……沙和、なんの話だ?」

「ここを子どもたちが気兼ねなく利用できる場に改装しようというお話です……」

なぜか責められているような気分を味わいつつも、これまでの経緯を話す。

説明を重ねるたびに、愁さんの眉間の皺がどんどん深くなっているように感じる。


「……いい考えだと思う。でもなんで俺を無視して、その話が進んでいるんだ?」

優美に弧を描く口元とは裏腹に目が笑っていない。

「愁くんには関係ない話だからだろうねえ」

「……沙和が関係しているのにか?」

ずいぶん低いトーンで発せられた声には剣呑さが混じる。
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