俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「へえ、じゃあ俺が贈ったら、つけるか?」

いつかと同じセリフを告げながら耳元に唇を寄せられ、背筋が震える。

「いただく理由がないので、お気持ちだけいただきます」

できるだけ平静を装って、前回と同様に丁重に答える。

「理由ならある。婚約者に贈り物をしてなにがおかしい? 受け取り拒否をするならこの場でキスするぞ?」


キス?


本気とは思えない脅しに、必死で平常心を保ちながら返答する。


なんですぐそういうセリフを口にするの?


「どちらも遠慮を……」

「わかった」

そう言って端正な面差しを近づけてくる。

吐息が私の頬に軽くかかり、身体が甘く痺れそうになる。


まさか本気なの? こんな人目のあるところで? なにを考えてるの!?


「い、いただきますから離れてください!」

慌てて返事をすると、満足したのか私の耳にそっと唇で触れた。

瞬時に頬がカッと熱を持つ。


「……できるだけ高価でないものにしてください」

ハイブランドのジュエリーなんか贈られたら、恐れ多くてつけられない。


「さすがは沙和だな、惚れ直す」


甘く表情を崩すこの人にはもはや敵いそうもない。
< 118 / 227 >

この作品をシェア

pagetop