俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「ああ、ここは小さい頃からよく来ていたせいもあるが、元々植物を育てるのが好きなんだ。小さな趣味、みたいなものかな。城崎さんにもよく指導してもらったしな」

華美な外見のこの男性が植物を愛でている様子は想像しがたく、少し驚いてしまった。

そんな私の心中を察したのか、表情を崩して話を続ける。

「細かい調整は俺や姉貴に任せてくれればいいから、なにか思いついたら話してくれ。一緒にかたちにしていこう。この件は姉貴にも伝えておく」

そう言って向けてくれる眼差しが優しくて、胸にじんわり温かい気持ちが広がっていく。


「でもお忙しいのに煩わせてしまっては……」

この人に空いている時間なんて、きっとない。

頼子さんに今日は任せているとはいえ、私と過ごしていてよいのだろうか。

「気にする必要はない。本来なら俺たちが考えるべきなんだ」

沙和は協力してくれているほうだろ、と甘やかにつけ加えられる。

その細やかな心遣いが嬉しくて、なぜか鼻の奥がツンとなった。


「……ありがとうございます」

「感謝を伝えてくれるなら、敬語をなくしてくれたほうが嬉しいが」

「……善処します……」

口元を綻ばせて髪に小さなキスが落とされる。

もうそれだけで心臓が壊れそうだ。
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