俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「板谷社長、準備をお願いします」


愁さんが突如、女性スタッフを伴った男性に声をかけられた。

「今、行く。沙和を頼む」

「はい、浦部様はこちらにお願いします」

女性スタッフに促される。


「じゃあな、沙和。ドレス姿楽しみにしてるよ」

魅力的に口角を上げる愁さん。


「ど、どういうことですか?」

「今から模擬挙式の撮影会。新郎新婦役を俺と沙和が務めるんだよ」

「聞いてません!」

「言ってないからな」

悪びれもせずに即答される。


模擬挙式? ありえない! どうしてそんなモデルさんみたいな真似をしなきゃいけないの?


「無理です、私には務まりません。第一、そんな覚悟もスキルもありません。か、帰ります!」

「へえ、俺はお前をここで介抱もしたのに? 俺の願いを聞き届けてはもらえないのか?」

ほんの少し傷ついたような表情を浮かべるこの人が腹立たしい。

それを持ち出されたら反論なんてできないってわかってるくせに。

確信犯だ。


「私では力不足です」

「俺は沙和がいい。お前以外には考えられない」

「結婚式仕様のメイクなんてできません」

「プロがいるから問題ない」

「ヘアアレンジは……」

「心配ない」

「背丈だって足りてません」

「スタイリストがなんとかする」
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