俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
あまりに現実離れした出来事に理解が追いつかない。

思わず冷たくなった手で額を押さえる。


私……昨日なにをして、どこにいた……?


痛みに悲鳴を上げる頭を無理やり働かせて、必死に記憶をたどる。


庭園のベンチで男性が寝ていて……不審者扱いをされたんだっけ。

それから口論になって、一日踏んだり蹴ったりで……なにもかもが嫌になってきてお酒を飲んで……その後の記憶がまったくない。


サーッと頭から血の気が引く。

二十八年間生きてきて、こんな失態は初めてだ。

お酒は抜けているはずなのに、頭がまったく働かない。


その時、起き上がったベッドの左隣でなにかが動く気配がした。


……誰かいる?


ゴクリと息を呑む。

恐る恐る左側に視線を向けると、先ほど思い出していた美形男性が、掛け布団に浅く潜り込んで穏やかな寝息をたてて眠っていた。


嘘でしょ……信じられない……! 

なんでここにいるの!?

さっきの動く気配はこの人が寝返りをうった音だったのだろう。


沙和(さわ)は危機感がなさすぎなの』


いつも苦言を呈する親友の呆れ顔が脳裏を掠める。

今ならそのセリフを全力で肯定する。
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