俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「言っておくけど、婚約破棄した過去を悔やんでいるんじゃないのよ」


……悔やんでいない?


「あの……辺見さんは、愁さんを好きなんですよね?」

恐る恐る尋ねる。

婚約者のいる女性に聞くべきではないとわかっている。

でも尋ねないと話が進まない気がしたし、これから先きっと考えてしまう。


「好きよ」

迷いのない返事に心がひりつく。

氷塊を呑み込んだかのように心が冷えていく。


だったらなぜ婚約を破棄したの?


「でもそれはあくまでも友人としてね、恋愛感情ではないの。お互いにずっとそうだったから……ただ納得できないのよ」

涙を浮かべて唇を噛みしめる様子は、嘘をついているようには見えなかった。

今の言葉はどういう意味だろう。


「だってそうでしょう? 私は愁くんにもあの人にも選んで求めてもらえないの。なんで本当に好きな人に振り向いてもらえないの? やっとそう想える人に出会えたのに」

子どものようにぼろぼろ泣きだす姿に疑問がわく。


「辺見さん、あの人って……」

「婚約者よ。どうしても好きだから、親に懇願して婚約したのに、あの人は私を本気で好きになってくれない。結局私はいつも誰の一番にもなれない。あなたは愁くんに愛されて愁くんもあなたに好かれている、どうしてなの?」
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