俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
……やっと合点がいった。


辺見さんは愁さんに言い寄る私が嫌だったわけじゃない。


彼女は婚約破棄をして、ようやく好きな人に出会えたのに幸せになれなかった。

しかも元婚約者には私という相手がいて、それが羨ましかった、そんなところだろう。

そして自分にはなにが足りないのか、なにを間違えたのかと迷って悩んでいる。

複雑すぎる想いと、ある意味自分勝手な考えに言葉を失う。


こんな恋の悩みがあるのかと一瞬困惑するけれど、その苦しみはわかる気がした。

それは、つい最近まで私も抱いていた疑問だったから。

もしかしたらこの人と私は似ているのかもしれない。


「……辺見さんは好きな人に本心でぶつかりましたか?」

静かに問いかけると、大きな目が動揺に揺れていた。

「……私は愁さんに出会う前に失恋しました。ずっと見てるだけしかできない情けない片想いでした。その後出会った愁さんにもあなたという綺麗な女性がいて、再び失恋を覚悟しました。その時、どうして私はいつも誰からも選ばれないのかと思いました」

「それって……」

「立場や形は違いますが、きっと同じです。私もずっと怖くて傷つきたくなくて、本心を伝えず逃げてきました。家柄も地位も、過ごしてきた長い時間すらない私には、不安を完全には拭えません。それでも私は愁さんを愛しています。これから先、傷ついても泣いてもふたりで向き合ってそばにいたい……やっとそれがわかったんです」
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