俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「ううん……私のほうこそ素敵な贈り物をありがとう、びっくりした」

暴れだす鼓動を意識しつつ、掠れる声でお礼を伝える。

「以前の罪滅ぼしではないけれど、あの時告げられなかった想いを込めてその色の服を贈りたかったんだ」

「そんな、ピアスだってもらっているの
に……」

「きちんと俺の覚悟を示して、なによりも沙和に受け入れてもらいたかったから」

「……え?」


覚悟? 受け入れる? なにを?


愁さんはほんの少し眉尻を下げ、頬に長い指でそっと触れる。

熱を含んだ視線に、それ以上の言葉を紡げなかった。


なんでそんな表情をするの?


「浦部沙和さん、どうか俺と結婚してください」


はっきりとした迷いのない口調で愁さんが言った。


今、なんて……?


突然放たれた言葉に驚きを隠せない。


「これから先の時間をともに歩んでもらえませんか?」


重ねるように言われたセリフが心の中にゆっくりと沁みこんで、広がっていく。


「結婚……?」


声が震えてうまく話せない。

胸がいっぱいになってなにを言えばいいかわからなくなる。


両親に挨拶をしてくれた時にも言われていたけれど、まだずっと先だと思っていた。

彼の気持ちや言葉を疑う気持ちはない。


けれど一年という期間は、両親への手前、言ってくれていたのかもしれないと思う時もあった。

この人は大企業の御曹司だ。

いくら彼のご両親が承諾してくださっても多方面への根回しや配慮も必要で、一存では決められないだろうと考えていた。


なによりも、こんなに素敵なプロポーズをしてもらえるとは夢にも思っていなかった。
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