俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「に、二十八歳です」

「この間も思ったが……二十八にもなって危機管理能力がないのか? それとも救いようのない世間知らずなのか?」

イラ立ちの混じった声が、頭上から容赦なく降り注ぐ。


……どういう意味?


答え合わせをするかのように、冷たい声が浴びせられる。

「女がひとりでやけ酒して、見知らぬ男にホテルに連れ込まれてるのに呑気にお礼だ、お詫びって。どれだけおめでたいんだ?」

なにか言い返そうとするけれど、声が出ない。


確かにあの朝は驚いて頭の中が真っ白になっていた。

どうしようかと怖くなった。

だけど頼子さんの弟と知って、親切心からホテルに運ばれたのだと理解し、お礼を言おうと思った。


もし放置されていたら、それこそなにかの事故や事件に巻き込まれていたかもしれないし、介抱までしてもらっている。

その事実を鑑みたら、お詫びすべきだと思った。


……それは間違いなのだろうか。非常識なのだろうか。
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