俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「俺が板谷の社長だからか? 姉が板谷の人間だって知ってたんだろ? 最初から俺に取り入るつもりだったのか?」

口調と視線がどんどん厳しく冷酷なものになっていく。

「ち、違います。気持ちを落ち着かせたかったので、庭園でひとり過ごしたいと思っただけです」

「じゃあなぜ、わざわざ姉に事前に連絡を入れた?」

氷のように温度の感じられない目、に背筋がゾクリと震えた。

怒りが伝わってくる。

疑われているのだとわかる。


まさかわざと誘い出して罠にはめたとでも言いたいの? 既成事実をつくろうとしたとでも? ……ちょっと自意識過剰すぎない?


「て、庭園に入らせていただくからです」

「鍵を預かっているのにか? 勝手に入ればいいだけだろ? あの時間なら姉は子どもの世話があるし、手が離せないから迎えになんて行けない。義兄は出張中だし、姉が気兼ねなく頼れて動ける身内は俺しかいない。それを知って、狙っていたんだろ?」


……ありえない。


話が飛躍しすぎているし、強引すぎるこじつけだ。


どうあっても私を悪者に仕立てたいの?


そもそも私は頼子さんに弟がいるなんて、あの日まで知らなかった。
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