キミからの「好き」って、信じていいの?
「わぁ!」



彼が連れてきてくれたのは、つい先月できたばかりのショッピングモールだった。



大きくて、たくさんのお店が並んでいて、とても一日では回りきれないほどの広さだった。



「ここ、はじめて来たよ!成海くんは来たことあるの?」



「いや、俺も来てないんだ。桃音と一緒に来るときがはじめてだったらいいなと思って。でも、そのかわり案内ができないんだけど……」



申し訳なさそうにする彼に、私は元気ににこっと笑ってみせた。



「全然平気だよ、それくらい!それよりも私と来るときがはじめてがいいなんて、思ってくれてたことのほうが何倍も嬉しいよ!」



私がそう言ったら彼も笑顔になってくれて、私は今日がとびっきり素敵な一日になることが想像できた。



「ねぇ、まずはなにしようか?」



「まだ時間も早いし、いろいろなお店を見ようか」



「うんっ」



私たちは入り口から近いお店から順番に見て回ることにした。


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