キミからの「好き」って、信じていいの?
「さびしいなぁ……」



ぽろっと本音がこぼれ落ちた。



「実は俺も思ってた」



「となりのクラスでも全然会わないよね。私、だって桃舞くんのこと知ったのは二年生になってからだし」



「俺は桃音のこと、一年生のことから知ってたけどね」



彼の言葉に私はびっくりしてしまった。



だって、一年のときはたぶんとなりのクラスでもなかったはずなのに、どうして私のことを知っているの?



私はべつに学級委員長とかもやっていなかったから、みんなの前で話したり指示を出したりすることもなかったし。



「だって、桃音は新入生の中で一番可愛いってうわさになってたからね」



……っ、またそんなことを言ってくれて。



ねぇ、桃舞くんも私のことをかわいいって思ってくれているの?



学年で一番じゃなくてもいいから、少しでも可愛いなぁって思ってくれているの?



聞きたいけれど、聞けない。


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