キミからの「好き」って、信じていいの?
「なに?『十二ヶ月お菓子作りが毎日楽しめる本』ってこれ、羅々(らら)先輩が読みたいっておっしゃってた本?」



「さすが、羅々先輩がぽろっと言った言葉でも、しっかり覚えてる桃音は次期部長かな〜」



「もう、茶化さないでよ〜。それで、その本がどうかしたの?」



「この本、羅々先輩の誕生日にプレゼントしない?一人だと結構値段がするし、二人で一冊を買おうよ〜。そして、二人でスイーツも作ってプレゼントすれば完璧!羅々先輩の最高の笑顔がすでに見えるよっ!」



満面の笑みで説明する真凛を見ていると、私も羅々先輩が喜んでくださる姿が見えてしまう。



羅々先輩は私たちが入部したときからお世話になっている優しくてお菓子作りがとても上手な先輩で、スイーツコンテストで準優勝したこともあるすごい先輩なの。



羅々先輩は部長なんだけれどいばったりもしないし、部員の意見をしっかりと聞いてくれるし、頼りになる私の憧れの先輩なんだ。


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