キミからの「好き」って、信じていいの?
「じゃあ、早速今日この本も買って、お菓子作りの練習も始めようね!羅々先輩に渡すならめっちゃ練習しなきゃ!羅々先輩の一番好きなスイーツってなんだろう……?」



羅々先輩は部長だけれど、周りの意見を尊重して自分の意見はあまりおっしゃらないから、実はなにが好きなのかまったくわからなくて。



「希実先輩に聞いてみよう!」



真凛がサッとスマホを取り出して、メッセージを打ち始めた。



希実先輩は羅々先輩と同じく料理部の部員で、副部長を務められている。



二人は幼なじみらしく、お互いのことならなんでもわかっているといつも言っている。



だから羅々先輩の好みは希実先輩に聞けば、一発でわかるってこと。



すぐにそれに気づける真凛は、実は私よりも部長に向いているんじゃないかな?



「あっ、返信来たよ!ええっと、羅々先輩はガトーショコラが一番好きなんだって!! 」



「へぇ、そうなんだ!ガトーショコラはしっとり加減を調整したいなぁ。あと、甘めにするか少し苦めにするかも考えないと……」


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