キミからの「好き」って、信じていいの?
得意げに私に紙を見せてくる彼を見て、私は苦笑してしまった。



「得意そうにしているところに、水をさしたいわけじゃないんだけど。私、成海くんの筆跡知らないよ」



「えっ?あっ、そうだった!」



それは盲点だったとでも言うような顔をしている彼を見て、クスクスと笑ってしまう。



私が笑っていると、彼は嬉しそうに言った。



「でも妹に頼まれたのが今日でよかった」



「なんで?」



雨が降ってないから、本が濡れずに済むとか?



好きな本が発売されていたとか?



不思議そうな顔をしていたのか、彼は私の目をじっと見て、にこっと笑ってこう言ったんだ。



「だって、姫内さんに会えたから」



「……っ、え?」



そんなこと言うのは、反則でしょ……!?



こんなにイケメンな人にそんな言葉を言われて、キュンとしない女子なんてこの世に存在するの……?



どうしよう、目線が合わせられない。



顔が真っ赤になっているのが、鏡で見なくてもわかる。


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