キミからの「好き」って、信じていいの?
人がたくさんいたけれど、スムーズに入場することができた。



最初はアシカの部屋へ行った。



「わぁ!アシカ、可愛い!」



「アシカって賢いんだって。芸とかもたくさん覚えられるみたいだし、暗記力もいいみたいだよ!」



「さすが、成海くん。頭いいね!」



私がほめたら、彼は苦笑してこう言った。



「いや、ここに書いてあるけどね……!」



彼が指差したところには、たしかにアシカの特徴や見分け方などいろいろな知識が書いてあって。


「あ、本当だ!へぇ、いろいろなことが書いてあるね!」



「本当に水族館が好きなんだね」



「え?」



「だってすっごく楽しそうだから。選んでよかったよ!」



彼が満足そうに目を細めたから、私は少し恥ずかしくなった。



そんなに、わかりやすいほどはしゃいじゃっているかな?



でも、いいよね!



楽しいって表現できるときに表現しないと、伝える機会なんてすぐになくなってしまうんだから。


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