他校生
……微妙な心境で、ふっちーが私の隣の席に座るのを見ていた。
ドカッと腰かけて、長い足が余ってる。
…まぁ、格好いい…のか。
私の視線に気づいたふっちーが
「ん」
そう言って飴をくれた。
「いや、ありがとう」
別に飴が欲しくて見てた訳でもないんだけど。
レモン味の飴をコロコロと口の中で転がしながら、飴の入ってたゴミを、直ぐに捨てずに手で遊んだ。
「ん」
ふっちーがそれを私の手から取ると、自分のと一緒にゴミ箱へ捨てに行った。
「あ、ありがとう」
「ん」
「ぶふっ」
「は?何だよ」
「ふっちー、さっきから“ん”しか言ってないよ」
「んだな、はは!朝はエコモード。血糖値アゲ!」
「酸っぱいよ、飴」
「あー、俺あんまり甘いの得意じゃない。嫌いでもないけど、この程度のが好き」
「え!?カップケーキも!?」
「は?カップケーキぃ?」
あ、これは紗香の妄想だった。
相場は決まってるらしいけど。
「いや、カップケーキとか女子に貰うのかなぁーって…」
「何だ、それ。手作りとか?」
「そうだね、料理部とか」
「お前、料理部だっけ?」
「いや、書道部ユーレイ部員。ほぼ、帰宅部」
「知らない奴のは、食えねぇな。知ってるやつなら貰う」
「あ、そう」
一応貰うんだ。
「くれんの?」
「あげないよ」
「あ、そう」
「貰えるんじゃない、これからモテてるんでしょ?」
モテるだろうなーって思って言っただけなのに
ふっちーはハッとして
「え、何で知ってんの…」
そう言った……。
「誰かから……告白されたんだ……」
「いや、まぁ、何人か…って、まあいいだろ!」
「本当にモテるんだ。OKは……」
「好きな奴、いるって言っただろ!?」
ふっちーがそう言って……
驚いた。
「気になる奴がいるって……聞いたけど?」
私の言葉にふいっと目を逸らし
「ま、似たような、もんだろ、細けぇ」
なんて誤魔化してる。
「……違うよね」
そう言った私の言葉は聞こえただろのに、そっぽを向いたまま……
「あっちぃ」
なんて下敷きで顔を扇いでる。
似たようなもの…か。
格好いいと思ってるのと
好きは…違うかな?
気になると好きは……
次第に記憶も曖昧になってきたと言うのに
私はあの彼を思い出し、ふっちーと同じように
下敷きで顔を扇いだ。
ドカッと腰かけて、長い足が余ってる。
…まぁ、格好いい…のか。
私の視線に気づいたふっちーが
「ん」
そう言って飴をくれた。
「いや、ありがとう」
別に飴が欲しくて見てた訳でもないんだけど。
レモン味の飴をコロコロと口の中で転がしながら、飴の入ってたゴミを、直ぐに捨てずに手で遊んだ。
「ん」
ふっちーがそれを私の手から取ると、自分のと一緒にゴミ箱へ捨てに行った。
「あ、ありがとう」
「ん」
「ぶふっ」
「は?何だよ」
「ふっちー、さっきから“ん”しか言ってないよ」
「んだな、はは!朝はエコモード。血糖値アゲ!」
「酸っぱいよ、飴」
「あー、俺あんまり甘いの得意じゃない。嫌いでもないけど、この程度のが好き」
「え!?カップケーキも!?」
「は?カップケーキぃ?」
あ、これは紗香の妄想だった。
相場は決まってるらしいけど。
「いや、カップケーキとか女子に貰うのかなぁーって…」
「何だ、それ。手作りとか?」
「そうだね、料理部とか」
「お前、料理部だっけ?」
「いや、書道部ユーレイ部員。ほぼ、帰宅部」
「知らない奴のは、食えねぇな。知ってるやつなら貰う」
「あ、そう」
一応貰うんだ。
「くれんの?」
「あげないよ」
「あ、そう」
「貰えるんじゃない、これからモテてるんでしょ?」
モテるだろうなーって思って言っただけなのに
ふっちーはハッとして
「え、何で知ってんの…」
そう言った……。
「誰かから……告白されたんだ……」
「いや、まぁ、何人か…って、まあいいだろ!」
「本当にモテるんだ。OKは……」
「好きな奴、いるって言っただろ!?」
ふっちーがそう言って……
驚いた。
「気になる奴がいるって……聞いたけど?」
私の言葉にふいっと目を逸らし
「ま、似たような、もんだろ、細けぇ」
なんて誤魔化してる。
「……違うよね」
そう言った私の言葉は聞こえただろのに、そっぽを向いたまま……
「あっちぃ」
なんて下敷きで顔を扇いでる。
似たようなもの…か。
格好いいと思ってるのと
好きは…違うかな?
気になると好きは……
次第に記憶も曖昧になってきたと言うのに
私はあの彼を思い出し、ふっちーと同じように
下敷きで顔を扇いだ。