この男、危険人物につき取扱注意!

(…専用って…もしかして)

「ちょ、ちょっと待って!
それってコピ・ルアク?」

「コピ・ルアク?何ですか、それ?」

二人は聞いた事もない言葉だと首を傾げた。

「コーヒー豆の名前」

「さぁ(これ)の名前は知りませんが、坂下の兄貴が外国から取り寄せたって聞いてますけど?」

(やっぱり…コピ・ルアクだ…)

「あの…出来たら、私もインスタントコーヒーを頂けますか?」

「え?…でも…姐さんにインスタントコーヒー飲ませたなんて、坂下の兄貴にバレたら…
俺達殺されますよ…」

「じゃじゃ、そのコーヒー一緒に飲みませんか?」

(早く飲んで豆無くさないと、きっといつまでもコピ・ルアク(これ)しか飲ませて貰えない)

「しかし…」

「お願い!お願いします‼︎」と千夏は二人に頭を下げた。

千夏に頭を下げられた二人は、互いに顔を見合わせ仕方ないと思った様で、苦笑いをして「じゃ!」と答えた。

達也が豆を挽きだすとコーヒーの香りが千夏の鼻孔をくすぐった。

(…いい香り)

そして、湯をゆっくり回し入れると更に香り漂い、側にいた真司の顔もまるで恋でもしたかの様に、幸せそうな顔をしていた。

「凄くいい香りしますね?」

嬉しいそうに言う真司に、達也も同意して千夏へ笑顔を見せた。

(二人共いい笑顔…)

ドリップが終わると、達也はコーヒーカップに注ぎ先ずは千夏へ出した。

「…有難う」

そして、次にマグカップへ注ぎ真司に渡し、自分の分もマグカップへと注ぎ入れた。
二人はマグカップを鼻に近づけると、暫く香りを愉しんでいた。
そして、ひと口飲み千夏へいい顔を見せた。

「インスタントコーヒーとは全然違うっス!」と興奮する真司。





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