この男、危険人物につき取扱注意!

初めて出会った味と香りに、達也と真司の二人は興奮しながらコーヒーを愉しんでいた。

(これが、猫の糞から取り出した豆だって知ったら、二人はどんな顔するんだろう?)

そんな事を考えながら、笑いを堪え千夏は二人を見ていたが、どうしても笑いを堪えきれ無くなり、クスクスと声に出し笑い始めてしまった。
そんな千夏を見た二人は、何が可笑しいのか首を傾げキョトンとした顔を見せた。

「クックッ…そのコーヒーの豆ね、実は猫の糞から取り出した(モノ)なんですよ?」

二人がどんな反応を示すかと楽しそうに千夏は話した。

「えっ⁉︎ これ猫の糞ですか⁉︎」

「と言っても、ちゃんと洗浄されてるし日本の検疫もパスしてるから、衛生的にはなんの問題も無いんですけどね?」と千夏は説明した。

「問題無いって言っても…間違いなく猫の糞の中に合ったのはあったんですよね?」

千夏の話を聞いても尚、二人共が苦虫でも噛み潰した様な顔を見せた。

「やっぱり、そうなりますよね?
私も坂下さんに詳しく説明されて、衛生的にもなんの問題もないって知っていても、どんなに高価で美味しいコーヒーだって分かっていても、どこか頭の片隅で猫の糞のコーヒーって思っちゃうんですよね…
こんなに美味しいのに…」

(こんなに美味しいのは美味しいけど…
このなんとも言えない気持ち、ここに暫くいるなら皆んなと分かち合えたら良いなぁ…
直接農家と契約したって言ってたし…)

「…確かに…でも、俺達はもう一生飲む事は無いと思いますから、良い経験させて貰えました。
有難う御座います。ご馳走様でした」

「え?そんな事言わずに、これからも一緒に飲んで下さいよ。お願いします。この通りです」

千夏は二人に頭を下げ懇願した。





< 117 / 190 >

この作品をシェア

pagetop