この男、危険人物につき取扱注意!

春樹はそれからと、話を続けた。

「今後のシフトの件に関しては俺が行う!」

春樹からの思いがけない発言に、皆んなから非難の声が上がった。

「煩い!元々は俺の仕事なんだ!」

この春樹の一言で非難の声は収まった。

(そうだよ!
チーフの仕事だよ!
もっと早くからやってよね!
でも、ホントにやってくれるの?
また後で私に押し付けるんじゃ無いでしょうね?)

「それと、さっき言った面談は明日から順次行う!
その際、来月分のシフト希望を出す様に!
良いな⁉︎
後から出しても受け付けないからなぁ!」

(あれ、本気みたい。
だったら…)

「チーフ?」

「なんだ、うさぎ?」

「シフト以外の他のチーフの仕事も、チーフがやってくれるんですよね?」

「いや、他のモノに関しては引き続き、うさぎにやって貰う!」

(ハァ⁉︎)

「あっそれから!」

「えーまだあるんですか?」

春樹の言葉にそう言ったのは、またしても伊藤美咲だった。

「今日は、休日にも関わらず出勤してくれた者も多いと思う!
今日ら本当にご苦労だった。
副社長から慰労金が出てる。これで、皆んなで食事にでも言ってくれ?」

「え?でも…この後もまだ仕事の人も…」

「いや、人手も副社長が手配してくれた」

春樹はそう言うと、部屋のドアを開けた。
する、ゾロゾロと入って来た。

(え?…誰?会社(ウチ)の人達なのは、クビから下げてるIDホルダーで分かるけど…
でも…何処の部署の人?)

「彼等はシステム開発部の者達だ。
この後、彼等に代わって仕事して貰う!
各々デスクの触って欲しくない物は、鍵の掛かる引き出しに入れておく様に!」

春樹はそう言うと、伊藤美咲に封筒を渡した。

「えっ⁉︎分厚い…
凄い万札が…12345…
めっちゃ入ってる‼︎」

大喜びする伊藤美咲は、“何食べに行きます?”とはしゃいでいた。

「千夏っさん!
焼肉なんてどうです?」

「ごめん…今回は遠慮しとく…」

(今から帰れば、なんとか食事の時間に間に合う)

「えー行かないんですか?
皆んな揃って食事に行けるのなんて、もう無いかもしれないのに…」

伊藤美咲が言う様に、千夏達の仕事は365日24時間体制の為、皆んなが揃う事はほぼゼロである。

「小野田さん、やっぱり体調が良くないんじゃ?
良かったら家まで僕送りますよ?
荷物も多い様ですし?」

そう言って嶋田は千夏のデスクの下から、ショップ袋を取り出してくれた。

「ううん大丈夫!
私の事は気にしないで、嶋田君は皆んなと食事に行って!」

「でもこの荷物じゃ…
やっぱり心配ですから送ります」

千夏は“大丈夫”と言い、嶋田は“心配だから”と言って、二人で千夏の荷物を引っ張っていた。
そこへ春樹は割って入り、二人から荷物を取り上げた。

「俺が送ってやる!」

「え…」

春樹は少し屈むと、千夏にだけ聞こえる様に“ホテルのレストラン予約してある”と言った。

(ホ、ホテルのレストラン⁉︎
いつも牛丼なのに…なんで?
あ…結婚の話…あームリムリ)

千夏はブルっと体を震わせ。

「やっぱり私も皆んなと行く!」

千夏は春樹を横目に皆んなと食事へと向かった。






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