この男、危険人物につき取扱注意!
その後、千夏から向きを変えた嶋田は反対側に座る男性陣等の会話に入り、何もなかったかのように過ごしていた。
そして、そろそろお開きにと言う事になり、春樹から預かっていた袋を持ち伊藤美咲は会計を済ませに行った。
その他の者は店の外へと出始めたので、千夏も外で待っていようと荷物へ手を伸ばしたが、既に嶋田に持たれてしまっていた。
「あっありがとう…」
嶋田から荷物を受け取ろうとするが、嶋田は“送ります”と言って渡してはくれなかった。
「大丈夫。ひとりで帰れるから返して?」
「僕に送られるの迷惑ですか?」
「…そうゆう訳じゃ無いけど…」
(やっぱり二人きりになるのは気まずい。
それに、何処に送って貰うって言うの…?
まさか、腹黒蛇組?
もし、チーフと鉢合わせでもしたら…
チーフがヤクザだって嶋田君にバレちゃう。
そんな事より、私が無理…
だって、今はチーフと顔合わせたくない。
絶対、さっきの話になるに決まってる…)
支払いをしてる伊藤美咲を皆んなと外で待ってると、誰かを呼ぶ声が聞こえて来た。
「おい!おい、お前!」
(うるさ…酔っ払いがわめいてるよ…
あーやだやだ…)
「皆さーん、お待たせしました!
ほら、見て下さい。まだ、こんなに余ってますよ!」
会計を済ませ店から出て来た伊藤美咲は、残った数枚の万札をかかげながら店から出て来た。
そんて、“次はカラオケだ‼︎”と言うと、賛同する雄叫びが再び聞こえてきた。
(皆んな元気だわ…私はここで失礼させて貰おう。
明日はお母さんの検診日だし!)
「おい!おいって呼んでるだろ⁉︎」
(いつまで叫んでるのよ!
あーゆう輩には絶対関わらない方が良い)
「おい、お前‼︎」
「千夏さん!千夏さんもカラオケ行きますよね?」
伊藤美咲の誘いを千夏は“帰る”と断るが、嶋田は伊藤美咲によって強制連行される様で、その嶋田の手には千夏の荷物があった。
「ちょっちょっと、私の荷物返して!」
千夏の叫びに伊藤美咲はニヤリと笑い“ほら、行きますよ!”と、言った。
(やられた…)