この男、危険人物につき取扱注意!
2時間後、千夏達がカラオケ店から出て来ると、店の前には真っ赤なスポーツカーが止まっていた。
そして、その車の運転手席から男が千夏達に向かって叫んでいた。
(…何あれ…チンピラかしら?
絡まれない様に、皆んなを早く帰さなきゃ!)
「皆んな気をつけて帰ってね!」
皆んなを見送る千夏へ、嶋田が再び送って行くと言うが、変な輩が居るから伊藤美咲を送って欲しいと千夏は頼んだ。
だが、嶋田は引くことはなく二人を送ると言って、千夏の荷物に手を掛けた。
その時、店の前に止まっていた車から男が降りて来た。
(…あれ)
「おい、車に乗れ!」
車から降りて来たのは、春樹のボディーガードの秦だった。
(…どうして秦さんがここに?)
威嚇とも取れる秦の様子に、直ぐ様嶋田は千夏を庇う様に腕を広げた。
「警察呼びますよ!」
「嶋田君、
この人知り合いだから、心配しなくても大丈夫だから」
千夏に大丈夫だと言われても、秦の装いがあまりにも千夏に似つかわしくないと思った嶋田は、千夏の前を退こうとはしなかった。
「関係ない奴は引っ込んでろ!」
秦は嶋田の肩を掴み千夏の前から退かせると、千夏が持ってる荷物を取り上げた。
「彼女を何処に連れて行く⁉︎」
嶋田は、秦の腕を掴み千夏が連れて行かれるのを阻止しようとした。
だが、その腕を秦は簡単に捻りあげた。
痛がる嶋田に、秦は“怪我したく無いなら、おとなしく引っ込んでろ!”と言って、突き飛ばした。
「秦さん!
乱暴はやめて下さい!」
「だったら、さっさと車に乗れ!」
苛立ちを隠せない様子の秦に、このままでは大事になると思った千夏は、嶋田や伊藤美咲に“心配しなくても大丈夫だから”と言い残し、秦の車に乗った。
「秦さん、あんなところでどうしたんですか?」