この男、危険人物につき取扱注意!
冷蔵庫から取り出したペットボトルのフタを開けると、ゴクゴクと喉を鳴らし流し込み喉の渇きを癒した。
「クッーうまい!
風呂上がりに飲む冷たい水!
最高だね!」
そのまま千夏は、皮張りのリクライニングチェアーに座ると、背を倒し目を瞑った。
(“明日は必ず帰れ”っか…)
秦言葉を思い出し、どうしたものかと考えていた。
(やっぱり秦さんが言う事が正しいのかなぁ…
あの時は私も覚悟決めた訳だし…
チーフのやり方は気に入らないけど…
組の皆んなや、組長さんの事を思うと…)
ピンポーン!ピンポーンピンポーン‼︎
ピンポーン!ピンポーンピンポーン‼︎
「ん〜煩ーい」
ピンポーン!ピンポーンピンポーン‼︎
なり続けるチャイムに、仕方なく千夏は目を開けた。
「んーいま何時?」
窓から差し込む日差しに、千夏は目を細めながら玄関へと向かった。
そして、誰かも確認せずにドアを開けた。
「え⁉︎チーフ…どうしたんですか?」
「お前なんて格好を…」
春樹は千夏を見るなり顔を背けた。
(ん、どうした?)
「この馬鹿!下着も付けないでドア開けるな!」
「え?あっヤダ!見ないで‼︎」
昨夜、風呂から出た千夏は、下着は買ったものも含めて全て洗濯機に入れ、買ったばかりのTシャツだけを着ていた。
下着は洗濯乾燥が終わってからでいいと思っていながら、リクライニングチェアーでそのまま寝てしまったのだ。
(パジャマがわりに少し大きめ買ったけど…)
千夏は慌てて左手で胸を隠し、右手でTシャツの前裾を引っ張った。
そして、千夏は“見ないで”と言いながら、ゆっくり後退りしていた。
「見ないで!少しでも見たら絶交するんだから!」
「見てない!分かった後ろ向く。いいな後ろ向くからな?」
春樹はそう言うと、ゆっくり体の向きを変え玄関ドアの方へ向いた。
「絶対そのまま、そのまま見ないでよ?」
「分かったから、早く着替えて来い」
千夏は春樹の言葉を信じ、クルッと向きを変えバタバタと洗面所へ走り、洗濯の中から下着を取り出した。
(なにしに来たの?
…なにも急に来る事ないじゃん!)